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どんな負けも 受け入れたら
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こんにちは、生きてます。すみません。

もう1週間切ったとか?ほんとですかね??
新刊は、まだまだ作成中です。がんばります。

夏コミは、ありがたくも金蔵でスペースを頂きました。

8/12(金) 東2ホールY43a ジュド菊

どんさんと合同で取ってます。
が、どんさんの新刊は大変厳しそうです。
仕事と引っ越しと体調不良のコンボで、ペーパーさえ9割方無理でしょう…既刊の表紙を刷れたら誉めてあげるレベルの。既刊まで並ばなかったら、あーあ、と思ってあげてください。
なので、私がどうにかしなきゃ新刊のなんもない夏コミとかほんと恐ろしいので、大丈夫です!出ます!

当日の机の上は、全て金蔵

 【新刊】
「ピーターパンの遺言」(コピー誌)
針鼠個人 19金×22蔵の未来パラレルやりたい放題本
下に、わくしてで配った序文を入れておきます
見本に…なるといいな

 【既刊】
「0214」(ジュドポーム)あるかな…
十日の菊は、印刷ページにある金蔵既刊をぜんぶ持っていきます

 【委託】
左藤さんちの金蔵エロアンソロ(TOPにリンクあります)


ほんと更新もまったくできてなくて、ブログさえちっとも書けてなくて、もうこんなとこ誰も見てないかもしれませんが、
金蔵大好きでなので、夏コミで金蔵お好きな方々とお会いできたら、嬉しいです!
また直前になったら、もう少し詳しくご報告できるといいです。どうぞよろしくお願いします!



トイレから部屋へ戻ろうと、たまたま廊下を歩いていた。
「運命の出会いやねん!」
 大きな音を立てて玄関のドアが開いてバチリと目が合えば、靴も脱がないうちに金太郎が言った。
「え? 俺と金ちゃん?」
「ちゃうわ!」


<ピーターパンの遺言>


   1

「あ、ちゃうことなかった。ワイと白石も運命やけど! 今日はちゃうねん!」
 勢いよく一刀両断されたが、項垂れる間は取らせず、すぐに金太郎は斬りおとした言葉を掬いあげる。
「うん、誰の子ぉ孕んできたん?」
「なに言うてんの、白石の子ぉに決まっとるやろ」
 楽しそうにカラカラと笑う金太郎の内臓には、残念ながら俺の子種は一粒だって入っていない。けれど、そんなことよりも。
 金太郎がこの家に入ってきた時からずっと気になっていた。彼の目から下へと視線を下ろす。
 手で押さえるようにしている服の下の腹が不自然に膨らんでいる。
 元より隠すつもりはなかったのだろう、金太郎は、らしからぬ丁寧な動作で着ているTシャツに手を入れた。
 そろりと差し出された手の上には、まだ小さな子猫が二匹。
 並んで丸い目を見開き見上げていた。
「うお、かわ……」
 かわいい、と最後まで言うよりも先に、茶トラの方の子猫が乗っていた手から飛び降りた。
 咄嗟に「親譲りの無鉄砲で」と始まる文章の冒頭を思い浮かべる。
(アカン縁起悪い。親知らんし)
 けれど、その予感は当たらずも遠からずというところだった。
 無事腰を抜かすこともなく、フローリングの床に降り立った茶トラは、若干滑りながらも器用に爪を立て、そう広くない廊下を走り回る。
「キンタロ! あかん!」
 とてもよく自分の声で耳にする言葉を違う声で聞いた。
「え。なに?」
「なにが?」
 何を聞き返されたのか分からなかったのか金太郎がさらに質問を返した。
「いま、なんて?」
 ズテンっという音に振り向けば、走り回ったはいいが、うまく止まれなかった子猫が壁に正面衝突していた。
 そうだ、のんびり問答している場合ではなかった。
「キンタロ、アホやな。ボディコントロールちゃんとせな」
 だが、どうしてもスルーできない。聞き間違いでもなかった。
「キンタロ?」
 金太郎が猫に向かって「キンタロ」と話かける。ややこしい。
「キンタロやで。こっちは、くら」
 未だに金太郎の手の中で居心地よさそうにじっとしている真っ白い毛の子猫を見下ろして金太郎が言う。
「くら?」
 どう考えても名前の話だろう。
「くらのすけの、くらやで」
 続けて当たり前のように、説明になっていない説明をした。これでは、はいそうですか、とはならない。
「……なんで?」
「似てるし」
「似てる? 猫に?」
「そっくりやん。ワイと白石や! 運命やねん!」
 畳みかけた金太郎は、うまく着地したつもりなのかもしれなかったが、ちっともうまくできていなかった。
(こっちの腰が抜けるわ)
「ニャア」
 足元で猫が鳴いた。
 いつの間にか戻ってきていた茶トラが前足を金太郎の足の上に乗せる。
 お互い見つめ合って、二秒。
 金太郎は、おもむろに屈んで手の中のもう一匹を床に降ろした。
 二匹が並ぶと、ほんの少し白猫の方が大きい。
「とりあえず、金ちゃんも上がり」
 これ以上、玄関で立ち話をするのも馬鹿らしい。
 座ってじっくりと聞こうじゃないか。





   2

 バイト帰りに、たまたま商店街を歩いていた。
「千歳や! どこ行くん?」
 見間違いようのない大男が向こうから歩いて来るのを見て、嬉しくなって声をかけた。ついでに大きく手も振る。
 千歳もすぐに気付いてくれて、向かいあって脚を止めた。
「これから猫を探しに行くと」
 昔から千歳は猫をよく構っていたが、多くが猫の方から寄ってきていた。探しに行くとは初めて聞いた。
「ネコ!? 飼うん?」
「ミユキに頼まれとお」
 千歳は、いつでもその名前を宝物のように大切に紡ぐ。
「ワイも行く!」
 もう後は帰るだけで、白石もきっとまだ帰ってはいない時間だった。それならば、急いで帰る理由はない。
「ほなこつ一緒に行かんね」




つづく、よ!
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