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どんな負けも 受け入れたら
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週末に、某小山さんにものすごい爆弾落とされてね、もうすっかり頭の中はそれでいっぱいです。あの人天才だよ。

金ちゃん×エクスタシー侍 ってなに。
厳密に言うと、きんくらじゃないらしいんだ。
あくまで、エクスタシー侍。
エクスタシー侍≠白石
なにそれ。おもしろすぎる。突き抜けてる。
夜中に独りで爆笑したもんね。あばら折れるんじゃないかと思った。

1年に1回しか会えないのに、3年目(3回目)に会ったときには金ちゃんがプロポーズするんだって。そっからの紆余曲折が見せ場らしいので、きっとそこは最大手の小山さんが生き生き描くに違いない。
なので、私は、2年目(2回目)の金太郎×侍の逢瀬を妄想しました。
ほら、これで需要1・供給1になったよ!

考え始めたらどんどん設定とか固まってきて(勝手に)、私も大概だなあとおもいましたまる

下に、金×侍 2-1です。
※1は現存しません。(小山さんとこのmemoにちらっとあります)
※2-2もありません。
※3は小山さんが描きます。(ただし、私の書くものとは関係ありません。まったく別の話です。原作と二次創作の関係)

「ああああああっ!!」

大阪中に響き渡るのではないかというボリュームの声が静謐な参道を揺らした。
ビリビリと水面が振動を伝えた池の亀たちが亀にあるまじき俊敏さで一斉に水に潜る。
その声に、驚いた男が足を滑らせた。
彼が地面に立っていたなら、バランスを崩したところで尻餅をつく程度で済んだだろう。
たとえ池べりに居たとしても、あの浅い池ならば衣類はずぶ濡れになるが、大した怪我はしない。
けれど、足を滑らせた男は、地面から遥か高く、聖域の出入りを守る大鳥居の上に居た。

充分とは言い難い足場で、体勢を立て直そうと試みたが叶わず、彼の身体は、中空に投げ出された。
こうなってしまったら仕方がない。男は、下手にもがいて落ちるよりも、いかに上手く受け身を取るかということに意識をシフトさせた。
その内心は、ずいぶんと潔すぎる。
人間らしい落下に対する恐怖が欠けていた。
男が瞬時に覚悟を決めた完璧な受け身は、けれど披露されることはなく、ぼすんという音と軽い衝撃のみで、浮遊感は終了を迎えた。
落下の最中も目を瞑らなかった彼の視界に、ひょいと少年の顔が覗く。

「兄ちゃん、ヘーキか?」
男のすぐ耳元で発されたこの声には聞き覚えがある。
「……平気やけど、なんなん?」
眉間に皺を寄せ、初対面にしては近すぎる顔を見返す。
「ん?」
少年は、何を訊かれているのかわからないと、首を傾げた。
「まあ足を滑らせたんは俺の責任やけど、原因はキミや。なんであんな声出すん?」
「兄ちゃん見つけたからや」
「は?」
今度は男が首を傾げる番だった。少年の答えが理解できないことに、その表情がさらに険しくなる。
どうやら長引きそうな気配を察知し、賢明な判断を下した。
「とりあえず、おおきに。降ろしてんか?」
「兄ちゃん逃げへん?」
どうもこの子とは、会話が噛みあわない。
「……?なんで俺が逃げなアカンの」
あまりにも頓狂な少年の言い分に、整った顔の険がふっと消えた。
「ほんまに?」
なお疑わしげに念を押す少年に、ついに男は小さく噴き出す。
「ほんまやで」
腕の中でクスクス笑い出した男を少年はそっと降ろした。
外にはねた色の薄い髪が笑う呼吸に合わせて揺れる。頬を掠めたそれを少年の目は無意識に追いかけた。

地面に立って、正面から改めて少年を見た男は、パチリと大きく瞬く。
「あれ?」
もっとよく見ようと一歩下がったところで首が圧迫され、それ以上の後退を遮られた。
首に巻いている布に負荷が掛かっている。
ピンと張った布の先を見れば、目の前の少年が端を握り締めていた。
その真剣さに気圧される。
「キミ何をそんな……?」
何故だかわからないけれど、少年は、本気で男が逃げ出すことを心配していた。
「ボク遠山金太郎言いますねん。よろしゅう!兄ちゃん名前は?」
ぼんやりとした質問は伝わらなかったのか、向かい合えば少し目線の低い少年が上目気味に男をじっと見てハキハキと自己紹介をする。
挨拶は大事だ。
「俺は、エクスタシー侍や。はじめまして」
「えくすたしーざむらい?長っ!」
男が冗談のような名前を真顔で名乗れば、少年はキラキラと目を輝かせた。
「兄ちゃんの名前、ずっと訊きたかってん。はじめましてやないで」
「あ、」
途端、さっきの既視感が蘇る。
男もやはり、どこかで少年と会ったことがあるような気がしていた。
「けど、長いわ!サムでええか」
金太郎は、無邪気に笑いながら、かなり大胆に男の名前を縮めた。
「ようないやろ。ひとの名前を……失礼な子やな」




続……かない^^
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